「あ?何見てんだよ」 そこに居たのは勝だった。 クラス全体にがんを飛ばして、一通り睨みつけてから自分の席に着く。 わざとらしくドカっとカバンを床に叩きつけてふんぞり返るようにして座った。 止まった会話が少しずつ戻るが、皆少なからず勝を意識しているのだろうさっきよりも声が小さい。 「薬師、本当に大丈夫か?」 委員長がそう言って歩み寄ってきた。 登校時間まであと1分。 「ああ、大丈夫だよ」 少し眩暈がした。 オレはゆっくりと席に着く。 それと同時に若林先生が教室へと入ってくるのだった。