鳴り響く携帯の着信音。 雨音の中で真っ赤に染まった部屋で携帯はなり続けていた。 ベッドの上には無惨に首や手足を引き裂かれた胴体が横たわっている。 フローリングも染めた血の海が部屋に満ちた。 本棚の所にまで転がっていった頭部。 うっ血して紫色になった顔面だったが、その表情は穏やかで。 まるで母親に子守唄を歌ってもらいながら眠りについた赤子のように優しい顔をしていた。