退屈な英語の授業の途中から大粒の雨が降りだした。 「こりゃ、すごい荒れたなぁ」 英文を読み上げる田中先生が、英語の途中でぽつりと呟いた日本語。 それが、オレたち皆の感想を的確に表していたと思う。 1分も経たなかったと思う。 でも、それだけの時間クラスの全員が窓を打つ雨と、真っ暗な空を見つめていたんだ。 「さ、続けるぞー」 田中先生の声で止まった時が動き出した。 嫌な雨だな。 暗い空。 雨粒の音。 揺れる木々に、地面に飛沫がまう。 あぁ、憂鬱だ。