大我は将来のことを自分なりに真剣に考えているんだと祥子は感心するばかりだった。

話をききながら、本当の父親が自分に残してくれたというリゾート地について、自分はオーナーという名前だけでいいのか?お金だけもらってそれで十分なのかと考えるようになっていた。


「須藤先輩、今日はありがとうございました。
私も将来のこと、真剣に考えなきゃって思いました。」


「そんなに喜んでもらえて、本当によかった。
俺も、君が一生懸命話をきいてくれるから、いっぱい話をしてしまった。
こんな将来の固まってもいない話・・・誰もきいてくれないと思ってたのに、つい長々と・・・。
あのさ、よかったら、また出かけないか?
海でも山でも・・・買い物でも希望があれば、俺流のガイドを考えておくからさ。」


「えっ?ほんとですか!
うわぁ・・・あ、でも・・・私、まだこれからどこに住むのかも決定してないし、お母さん次第かな。
当分、遠出する余裕なんてないかもしれないし。
約束できそうにありません。」


「じゃ、メールしよう。
困ったことや心配事の相談でもいいぞ。
俺は、祥子と話がしたい。」


「はい。」


祥子はメルアドの交換をしてから大我に頭を下げ、雪貴の邸に帰っていった。


しかし、邸に入ると同時にとても冷たい雪貴の視線に驚くことになった。