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「そっか。今日はエイプリルフールか」

人を殺せる持ち方をされたボールペンが机に置かれ、彼の腕が私の体に伸びる。

膝上に乗せられ、腰に腕を回された。

「新垣さんも、一つ嘘をついていいですよ?」

「俺は雨音(あまね)には嘘をつかないよ。正直者でいたい。見ているだけで、果てそうになるとか。夢の中で会えるものなら、ありったけの愛情注いで可愛がっているとか。仕事中でも暇さえあれば、この部屋に仕掛けたカメラの映像見て、君の可愛さに悶えているとか、君が寝ている間にどこが良いのか確かめるために色々と」

「エイプリルフール!エイプリルフール!」


※嘘と信じたくなる時もあります。