シークレット*ラブ

｢…それで
奥さんからメールは？｣


｢ない｣


｢そっか…｣


私たちは近くに見つけたファミレスに入ってランチを食べながら話を続けていた。


｢…慶吾がそんな風に怒るなんて珍しいやん？

仕事の事で気持ち苛立ってたんちゃう？｣


｢……ん

それもあるかもな？｣


ようやく少し落ち着いてきた慶吾の表情に少しだけほっとしながら


｢奥さんさぁ…

朝、確かに不機嫌そうやったかもしれへんけど、悪いなぁって思ってたんやと思うよ？

だから…
ちゃんとお弁当作ってくれてたんやよ？｣


黙って視線を少しだけ下に落として静かに頷く慶吾に


｢…奥さんすごいなぁって思った。

私は素直じゃないからさ…

きっと喧嘩した次の朝にお弁当なんて作らへんって思うもん。
ほんまに優しくていい奥さんなんやね？｣


微笑みながらそう言った私に、ほんの少し微笑み返してくれた。