シークレット*ラブ

パラパラ降る雨の中、水玉模様の傘をさして小走りに駅へと向かっていた。


誰も乗ってないエスカレーターを駆け上がったと同時に、丁度ホームに入ってきた電車に駆け込んだ。


ふぅ……
間に合った。


慶吾からの電話をきってすぐに、干しかけの洗濯物だけを済ませ、とりあえず家を飛び出してきた私。


降り出した雨のせいでどんよりうす暗い景色を見ながら、

私の心の中も同じように沈んでいた。


いつも前向きな慶吾なのに…。

喧嘩なんて滅多にしない仲良しの夫婦だといってたのに…。



流れていく景色をぼーっと眺めながら、やっと頭の中で色々な事を考える余裕が出来ていた。