震える足を叱咤して、





靴を脱いで、家に上がった。






匂いを辿らなくても、どこへ向かうべきか分からなくても、







足は私の意志に反して勝手に動いて行く。








いつの間にか匂いが強くなっていた。





でも、その匂いはもう鉄じゃなくて、強い強い……









…――――花のような香り