その夜、先生にゆかりの妊娠を伝えると、大喜びしていた。

たっくんからも何度か相談されたことがあるみたいで、心配していた先生。


「無事に産まれるまで安心できないけど、嬉しいな!安産のお守りでも買いにいこうか」


夕食の胸肉の唐揚げを頬張る先生は、嬉しいことを言ってくれる。


「私も考えてたんだよ」

「やっぱり夫婦だなぁ」


空は、眠いのにパパと遊びたいから、目をこすりながらブロックを持ってくる。


「パパ~、これ」

「お、空。食べ終わったら、ロボット作ろうか。寝る準備だけして待ってて」

「うん」


先生の優しい顔を見ていると、もうワッフルの件は忘れてしまおうって思った。


そんな小さなことで、不安になったりモヤモヤしてちゃダメだもん。

夫婦なんだよ、私達。



うん、忘れよう。

忘れるぞ。



そう思って、洗い物を始めた時、先生のスマホが光った。

音を消しているので、光だけが目に入った。


チラっと画面を見た先生は、スマホをポケットに入れ、空と遊ぶためにソファへと移動した。


スマホなんて普段は気にしない先生なのに。

ポケットに入れるなんて、変だよ。



もう……タイミング悪い……