「夏目一也(イチヤ)、カズの兄貴。」



やっぱり…!

この人が、カズ先輩のお兄さん

でも、なんでわたしになんて会いに来たんだろう…



「なんで自分のとこに?って顔してんね」



お兄さんの言うことに、わたしは首を上下に大きく動かして頷いた。



「率直に言うけど、弟と別れて欲しい」

「ほぇ?」



びっくりしすぎて、変な声が出てしまった。

お兄さんは表情を変えずに続ける



「あいつ、しばらく学校来ないし。部活にも出ねーよ。」

「えっ、な、なんでですかっ!?」

「あいつのかわりに休学届出しといたから」



なんで、そんなこと…?

カズ先輩に、会えなくなる



「なんでですか?」

「は?普段一緒に居んのにわかんねーの?あいつがお前らにうんざりしてることに」



なんで、そんなわけない。

カズ先輩がそんなこと思うわけない。