「有り難う。君のおかげだ」


今日も真っ先に帰って、パソコンを立ち上げた。

パソコンはなおもデスクトップを表示せず、インターネットが開き続いていた。


【退会、するのですか】


退会……か。

そうだな、それも考えてみるかな。


「んー……今はそういうつもりじゃないんだけど、この先はここ使わないかなーって思って」


【駄目です】


「は?」

駄目……?

何が駄目なんだ。

やる、やらないは自分の勝手だろう。


【退会は、出来ません。利用条約にも書いてありましたよね】


そういえば、そんなこと。

僕は曖昧な記憶の本を捲りながら考えた。

退会はしないけど、使用しないというのは別にいいんじゃないか。


【貴方はもっと強くならなくてはいけません。先日のは怒りがあったからでしょう。あれではただの復讐です】


復讐?

それは精神を強くするのを兼ねてだからいいんじゃないか。

それに結果的には同じ方向を向いている。


それにもう僕は、強くなくていい。

これだけの地位が手に入れば、もう十分だ。

いじめられない、いじめる人がいない。

そんな平和なクラスになったから、もういいんだ。


精神の強さなんて、権力なんて、もうそんなものいらない。


【命令は絶対です。阻止は一切出来ません】


でも現実を知った。


【さあ、また殺人をしてきてください。そして、精神を強くしてください】




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