ドッカーーーンッ!!


 メキメキメキメキッ!!



 盛大な音を立てて、わたしの船、紅の自由(ルージュ・リベルテ)号は、敵の海賊船の横腹に体当たりで突っ込んだ。


 その衝撃で、二隻(せき)の、それぞれ三本マストが立つ巨大な帆船は、大きく揺れ。


 激突した船首部分を見渡せる船尾甲板にいたわたしは、そのまま海に投げ出された。


 ……と思った、寸前。


 すぐ側に控えた蒼い甲冑をつけた大男のジーヴルが、慣れた様子でわたしを抱きしめ、船の上に引き戻してくれた。