幼なじみがイケメンをこじらせたんですが。

 びっくりしているわたしに、空琉はささやいた。


「オレの気持ちを受け取って?」


 ほんとに、あと少しでキス、寸前まで近づかれ。


 空琉のキレイな瞳が、わたしを見てる。


 目をつむり損ねた、わたしの方も思わず、空琉の瞳をまじまじと見つめることになり……


 わたし、とんでもないことに気づいちゃった!


 このヒト『雪村 空琉』ではない!


 夏休み明けに突然変わる○○デビューのヒトじゃなく。


 空琉に良く似た、丸っきりの別人、みたいに見えるんだけど!


 わたし。


 胸が張り裂けそうにドキドキしながら『その人』に聞いた。


「あなた、誰ですか?」


「今さっき……雪村空琉って、そう、さつきは教えてくれたじゃないか」


「えっ……ええと、それは…………」


 そう、なんだけども。