「え~~ オレ、知らないよ~~
 彼女たち、勝手について来ただけだし。
 空琉のファンもいるみたいだよ?
 女の子って可愛いよね~~見てるだけで、目の保養になるから、別に取り巻いてたって、良いじゃん」


「てめぇ、朝は、さつきに告白してなかったか?」


「あれ、聞いてたの~~?
 もちろん、さつきが一番だけど、可愛い女のコって、大好き」


 危機感も何もなく。


 へらっ、と笑う希良を、空琉がにらむ。


 この状況が、なんだか怖い。


 今までだって、確かに空琉は人気者だったけど、ここまで騒がれたことはないし。


 そもそも、人から騒がれることが好きじゃないんだ。


 そんな空琉のことなんて、全くお構いなしに、女の子に囲まれて騒ぐ希良の後姿に、相当イラついているらしい。


 ぷち。


 なんて、爽やか鮮やかにキレる血管の音を響かせて、空琉が拳骨を握るのを、わたし、なんとか止めていた。




 もう、勘弁して!