「きゃーーっ! 希良さま、カッコイイ!」


「こっち、向いてぇ!」


「あ、ねぇ、実は空琉さんの方も良くない?」


「きゃーーー」


「きゃーー」


「きゃー」


「「「きゃーーーーー!!!」」」


「だーーー! うるっせぇ!」


 あ。


 女の子があんまり希良のことを騒ぐから。


 とうとう空琉がキレた。


 希良は、こともあろうにわたしや、空琉のクラスに転校してきたんだ。


 イタリアから転校してきた、なんて、物珍しさと、類い稀なほどカッコイイこと。


 ついでに、今まで人気者だった空琉まで、金髪に変わったものだから、もうクラスは大騒ぎだ。


 お昼休みになると、大量の女の子たちが、希良を見に来たもんだから、その騒ぎに、わたしや空琉が巻き込まれる羽目になり。


 とうとう、空琉、怒鳴った。


「おい、クソ王子!
 なんとか、しやがれ!
 お前の連れて来た女だろーーが、よ!」


 あーあ。


 空琉の額に、怒りの青筋マークが、二、三個見える。


 けれども、空琉の声を、希良は、さらりとかわす。