「兄貴!? って!
空琉ってば、双子の兄弟いたっけ!?
しかも、髪って今まで染めてたの!?」
今まで十年以上一緒にいて、空琉の知らないことなんて、全くないって思ってたのに!
次々と出て来る知らない顔に驚いて叫べば。
空琉はものすごく嫌そうな表情(かお)をした。
「希良(こいつ)? 双子じゃねぇよ。
まあ、一応、兄弟みてぇなもんだけど、よ。
それに、髪は地色がコレだと、色々面倒~~だからな。
小学校あがってから、ずっと、黒(コレ)だ」
「うぁ、もったいな!
せっかくオレよりキレ~な金髪してんのに、残念なやつ!」
そんな、ちゃかすように言った希良の声に、空琉が、ジロッとにらんだ。
「今まで、お前の住んでた環境とこっちを一緒にすんな!
それに俺も、金髪なんて!
軽薄な感じがスゲー嫌だ」


