幼なじみがイケメンをこじらせたんですが。

 わたしの良く知ってる、幼なじみの雪村空琉じゃない。


 知らない誰かの目を覗きこむように、まっすぐ見つめれば。


 彼は、ちょっと寂しげに、ふ……とわたしの視線を外すと、何か言いかけた。


 と。その時。


 全く別の所から、わたしの質問の答えが聞こえて来たんだ。


「コラ! 希良(きら)!!
 手前ぇ! よくも朝からいろんなことをしてくれやがったな!!
 まずは、さつきから離れろ!!!」


 明らかに怒り狂ってるその声の方向に、えっ! と視線を向ければ、そこに。


 彼が希良って呼んだヒトと全く同じ顔をした、本物の『雪村空琉』がいた。


 けれども!


 こっちも今度こそ、四十日前と、だいぶ違うんですがっ!


 髪の毛が、希良よりだいぶ明るい茶色……って言うか、ほとんど金髪になってるし!


 着ているモノが半分私服だ!