二つの運命



「伊織~帰ろ~」

黒髪男だ。
それと




「伊織!」

ゴリラ。







「おいお前晴香だろ」




黒髪男から話しかけられた。


ていうか、






「なんで名前知ってんの?」

「いや、お前グループにいるだろ」




あー、ラインのグループか。

誰かが作ったこの高校の私達だけの代が集められたグループがある。



「あ、そうか。あんたは名前なに?」


「太田」



こいつ、自己紹介で名字しか言わないの?

それとも無口キャラってやつ?



本当不思議なやつだ。




「あ?お前誰だよ!」


なんだこのゴリラ。
お前に話してねぇだろ。



「お前こそ誰だよ、くそゴリラ」



本当こういうやつは嫌い。





「…お、お前口悪いわ~」


ふっ、言い返せないパターンね。
とことん嫌いだ。




『ゴリラ…(笑)』



伊織と太田が小さく笑った。


「響だっけ?お前面白いな(笑)」

「別に?」


伊織って普通に話しやすいんだな。
いいやつそう。






「てか帰ろぜ伊織」


「おーぅ」


「あ!俺も!」




このゴリラ、他から見ればただの下っ端じゃん。





そして3人は帰って行った。