「おはよ」





ふてぶてしくそう返せば、私の肩に腕を回してきた。




「きゃっ!」





「なあなあちー、あのさ〜」







離して!そう言おうと思ったと同時、左腕を誰かに強く引っ張られた。








「ちーって呼んでいーの俺だけ。それ以上触ったら殺す」







な‥‥‥‥‥‥‥‥っ








「せな‥‥‥‥‥?」





腕を引っ張ったのはせなで、今まで見たことないくらい怒った顔でアキラを睨みつけていた。





顔の整った人が怒るとこんなに恐ろしいの?




そう思うくらいせなの表情は冷たくて、普段のせなからはありえない事だった。





ぽかーんとしたまま固まった私の腕をぐいっと引くと、あろうことか教室とは違う方へ連れてかれ、なんと空き教室に引きずりこまれてしまった。










まさかそんな私たちをみてアキラが



「がんばれよ‥‥‥‥‥菜愛」






切なそうな表情を浮かべていたなんて私は知る由もない。