なんとかうるさくてしかたない心臓を落ち着かせて、平然を装ってせなの隣を歩いた。







だけど、なんでかな?





せな‥‥‥‥‥‥怒ってる?






私よりも20センチはたかいせなの横顔をちらりと盗み見れば、その整いすぎた顔をムスッとさせて、前髪をうさぎみたいにちょんまげにしていた。






‥‥‥‥いや、ちょんまげは何の関係もないだろうけど。




それにいつもなら、その甘ったるい顔に満面の笑みを浮かべて私に近づいてくるのに、今日はそんな気配一切無い。










「せな?」






「‥‥‥‥‥‥なに?」











すっ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ごく不機嫌だ。