11、空が動いてる

『あれ、家このへんですか?』

「うん…あ、あの家だよ…」

『へぇ!結構俺の家、近い!!あ!そうだ!名前!きいてもいいですか!?』

名前…僕に似合わないからやなんだよな…

「………浅野空(あさのそら)」

『朝の空!?』

「浅いの(浅)に野原の(野)に、天の(空)で、浅野空(あさのそら)だよ。」

『でもでも!(あさのそら)なんて!すっごくいい名前ですね!!!』

『澄んだ空気、赤いような青いような、あの何とも言えない色、少しづつ色を変えて朝に近づく感じ…俺、朝の空って好きです!あの僅かな時間を見るために、早起きするんです!早起きは三文の徳!よくできた言葉です!!』

『あっ!すいません!べらべら喋っちゃって!!失礼しまっす!!』

「ぁ…待っ……てって、足はやっ!」









帰宅。

それにしても濃い一日だったな…

名前…言ったの僕だけだし…

お礼…言えてないし…

また、リコーダー練習するかな…

なんか眠くなってきた。

久しぶりに外でたもんな…

僕が「ただいま」って言ったら、母さんうれしそうにしてたな…

名前…ほめられて、うれしかったな…






今日は…昨日と大きく違う一日だった。

昨日も一昨日と少し違う。

毎日、同じように過ごしていたのに、

この頃は少しずつ違う毎日を生きてる。



_僕の空模様が動いてる_