そのせいか、みんな避けるようにその店の近くを通らない。 いや、避けているのではなくまるで『見えていない』かのように。 赤い屋根に赤い戸、灰色の壁に曇った小さな天窓。 目立たない訳ではないはずだ。 僕は誰もあの店に近づこうとしないのが、無性に気になった。 そういうところが僕の悪い癖なのかもしれない。 水たまりのペチャペチャとした音をたてながら僕の足は引き寄せられるように赤い戸に向った。