金魚の恋

〝天にも昇る〟と言うのは、こういうことなんだろうか。
持ちがウキウキして、つい笑いが漏れてしまう。
リズム感というか、音楽らしきものが、体中に溢れてる。
無意識の内に、手足で小さく小刻みにリズムをとっている。

「ごめんねえ、何度も電話をくれたのよねえ」
「う、うん」
耳たぶが熱くなっていくのが、わかる。
きっと顔が赤くなってるだろう。

「研修中でさ、電話禁止だったの。
夜は夜でね、研修生同士のアレでね。
とに角、ごめんね。
お詫びにさ、お部屋のお掃除してあげるから。
この間、約束したでしょ」

「えっ?! あ、ありがとう」
「お掃除しちゃ、だめよ。キレイになってたら、私帰っちゃうからね」
「う、うん」
とに角もう、握られた手が気になって、まるで映画を観ることが出来なかった。

「あんなこと、おかしいよねえ。造りすぎって、感じだね」
bokuの耳元で囁くのは、もう止めて! 
bokuの心臓が破裂しそうになった。
甘い香がbokuを包み込んでいく。
teikoの甘い香に、bokuは縛られた。