彼は冷たい表情にパッと変えて言う。




「当たり前だろ?

 …これが、ほんとの俺。」






信じられない。



あの優しかった結城くんが、
こんなにも冷酷な人なんて。



ほんとに同じ人なのかって、疑いたくなるくらい。







ショックで声も出せなくなる私を前に、

少しの沈黙のときが流れる。








ふと、思い立ったように結城くんは口を開いた。






「なぁ、お前……

 名前なんて言うんだっけ。」


「花崎……悠。」





そっか。


と呟いた後、彼は先程のように、


なにかいいイタズラでも思い付いたかのような表情をする。