誰よりも、君が好き







気づけば時間はもう遅く、外も暗くなり始めていた。





レジに向かっている途中、あいつが財布の中を確認して項垂れているのを見ると、やはり値段を気にせずに食べていたようだ。




…ここまでアホなやつって、なかなかいないんじゃねーかってくらい、こいつはアホだ。








レジで金額を聞くと、あいつは暗い顔をして足元をふらつかせる。


って、そんなにか?










俺は一度小さくため息をついてから、財布から取り出したお金をレジに置いてお釣りを貰う。








「…ほら、行くぞ」







もともとお金を払うつもりではいたけど、予想以上に食べ過ぎじゃね?



…よく食べる女、嫌いじゃねぇけど。










けど俺は、ここで思い出してしまった。




こいつが俺の"下僕"という存在であることに。