誰よりも、君が好き






携帯で場所を確認しながら、無言で歩き続けていると






「ほら、着いたぞ」






久しぶりに発した言葉に、あいつもおずおずと顔を上げた。




すると、とても驚いたような顔をして俺の方を見てくる。







「匠くん、ここって………」






お前がなにを言いたいのかは分かるから。


…恥ずいから、あんま触れんな。








「……スイーツカフェだよ」






そんな返事をしても、お前の表情は変わらなくて。







「ここって、ついさっき私が行きたいって言ってたところじゃ……」







…だから、あんまり触れんなって!




言葉にはせず、心のなかでそう呟く。