学校をでて数分。
後ろにいるあいつを意識してか、自然と大きくなる歩幅。
…つてこれてんのかな。
でも、今さら速度を落とすのも、振り返るのも不自然だと思ったから俺はそのまま歩き続けた。
そんなとき
「もうちょっと、ゆっくり歩いてもらえないかな!?」
…そんな声が後ろから聞こえてきた。
これは、どうするのが正しいかな…
俺は一度立ち止まり考える。
……しょうがないだろ、これは。
「俺がお前のいうこと聞くと思った?
せいぜい頑張って走るんだな。」
…本音は、これ以上近くにいて欲しくないから。
自分から突き放して
そして自分から傍にいてくれるようにしたのに
…今さら、こいつを好きになることが怖いと思ってしまったんだ。

