すると目の前の息を切らしたお前はムッとする。
「しょうがないでしょ!?
第一、匠くんも匠くんだよ
なんの前触れもなしに、なんで急に呼び出したりなんか…!!」
匠くん呼びを忘れていないことに少し嬉しくなる。
放課後に呼び出すなんて、用件は1つしかないって、わかんねーの?
「お前と帰るために、決まってるだろ」
「え……」
「なにつったってんの?
帰るぞ」
急に顔をポカーンとさせたアイツは、俺の言葉で我にかえるようになった。
「なんで私が匠くんと帰らなきゃいけないの?」
…なにこいつ。
鈍感なのかよっ……。

