誰よりも、君が好き




た、確かによく回りを見てみたら、

女の子からの視線が多いや…





今さら思い出した感じだけど、


匠くんはみんなからしたら王子様みたいに優しくてかっこいい。


たまに見かけると、匠くんの回りにはいつでも人がいた。




…いろんな人から悪いように見られちゃうのも、無理ないかな。






自分が匠くんとたくさん話せていることに優越感を抱くのと同時に、匠くんがすっごく女の子から人気があるんだって分かって、

ちょっとだけ、嫌だなぁ……







なんてことを思いながら、私はたくさんの視線から逃げるようにして教室に駆け込んだ。




「ちょ、待てって!!」





隼人くんには申し訳ないけど、着いてこれないなら置いていっちゃうからね!!









+ + + +








「…はぁ」




思わず、大きなため息をつく。





今はもう放課後で、教室に一人きり。




匠くんから、「少し遅くなりそうだから、教室で待ってて」ってメールがあったから。