すると、イケメン君は私をじっと見つめたあとに
クスクスと笑い始めた。
ひどい…
これでも前よりは方向音痴なおってきた方なのにな。
というのも、
小学校のときなんかは、
家を引っ越してから約半年間、親に学校まで迎えに来てもらわなければならないほどだった。
ひとしきりして、
笑いがおさまったのか、
イケメン君は私にいった。
「そうだね。
入学式、急ごうか。」
そのとき、イケメン君はニコッと笑ってきて。
その微笑みに胸はばくばくとうるさくなる。
静まれ…鼓動。
そう何度も心の中で唱えながら、
彼と二人で体育館までの道を急いだ。
これは途中で気づいたのだが、
体育館のある場所は、
私が最初走り出していった方向とはまるで逆だったのだ。
…一人だったら、体育館に着くのは何時になっていただろうか。
考えただけでゾッとしてくる。

