師央のセリフが不自然に途切れる。
安豊寺がまた足を止めた。
今度は体ごと師央に向き直る。
「昨日も未来の話をしてたね。白獣珠を見せながら。わたしが同席してもいい話なの?」
確かに昨日、師央は安豊寺の前で白獣珠の名を言った。
でも、今の安豊寺の口振りは、あまりに迷いがない。
「白獣珠を知ってたのか?」
安豊寺は静かな目をオレに向けた。温度のない視線。
嫌われてるな、と感じる。
「わたしは師央くんと話したいんです。割り込まないでください。でも、仕方ないですよね。四獣珠は大切なものだから。煥先輩が目の色を変えるのも、仕方ない」



