オレたちは再び歩き出した。
足音高く進む安豊寺は、さっきより歩くスピードが速い。
師央がオレを見た。
「煥さんは、彼女いますか?」
「いない。つくるつもりもない」
安豊寺が口を挟む。
「彼女、できないと思うよ。失礼だし、暴力的だし、デリカシーないし」
安豊寺もたいがい、口調がキツいけどな。
オレに対してここまで言うやつも珍しい。
兄貴を除けば、前代未聞だ。
「でも、煥さん、もうすぐ彼女できますよ。結婚も早いんです。高校を出て二年目だから」
「ふざけんな」
「だけど、ぼくが__未来なんです」
メニュー