「いいえ、けっこうです! わたし、一人で帰れますから!」 青い目が、にらみ上げてくる。 刺さる敵意に、オレはため息しかない。 勝手にしろよ。って言えりゃ楽なのに。 兄貴は笑顔で肩をすくめた。 瑪都流メンバーも、ニヤニヤしてる。 ドラムの牛富さん。ベースで、兄貴の彼女の亜美さん。シンセサイザーで、オレとタメの雄《ゆう》。 師央がおずおずと手を挙げた。 「ぼくが、送りましょうか? 皆さんは練習があるでしょうし」 「師央くん、ありがとう。お願いしてもいい?」 いや、弱い師央じゃ意味がない。