師央が、ぴょんと飛んできた。


尻尾を振ってるのが見える気がした。



「煥さん、お疲れさまです!」



「別に疲れてない」



「今日、楽しかったんですよ!」



あれやこれやと報告が始まる。


聞きたいわけじゃない。


適当に聞き流しながら、オレは部室を見やった。


この軽音部の部室は校舎の東の隅にある。



オレは兄貴のバンドでヴォーカルをしている。


中学時代から、メンバーは変わっていない。


兄貴はギターと作曲で、バンマスでもある。


ちなみに、ドラムは牛富さんだ。