そんなこんなで、朝から、すでに疲れている。
とりあえず、登校中。
あくびを噛み殺しながら歩く。
オレの前には、兄貴と師央。理系の話をしている。
師央の背中には、オレが貸したリュックサックがある。
兄貴は師央を気に入ったらしい。
たぶん信用してる。
何より、純粋に、おもしろがってる。まあ、兄貴の価値基準的には、おもしろいってのが最強なんだが。
背の高い兄貴が、師央を見下ろす。
まだ華奢な師央が、兄貴を見上げる。
同じ栗色の髪。笑った横顔が似てて驚いた。
昨日から何度も驚かされている。
兄弟みたい、だよな。
オレと兄貴よりもずっと、兄貴と師央のほうが似ている。姿はもちろん、雰囲気ごと、全部。



