「ちょっと待てよ、兄貴。学外者を連れ込めって? バレたらどうするんだ?」
「ほぉ。じゃあ、煥は師央をほっとくのか? いつ緋炎が復讐に来るか、わからないのに?」
「この部屋なら安全だ」
「なら、煥もここにいてやれ」
「イヤだ」
「だったら、師央を連れて出るぞ」
「…………」
兄貴に逆らっても、ろくなことはない。
というか、面倒くさくなってきた。
「制服、貸してやれよ」
兄貴のダメ押し。オレのため息。
「わかったよ」
師央が無邪気に飛び上がった。
「うわぁ、いいんですか! やったぁ! パパと同じ学校に行けるなんて!」
「パパじゃねえ!」



