腹を抱えて笑い転げる兄貴につられて、師央に笑顔が戻る。


見れば、安豊寺も笑ってる。


オレだけが取り残されてる。



とりあえず、オレは白獣珠をシャツの内側にしまった。


笑い続ける兄貴に声をかける。



「これからどうするんだ?」



兄貴は目尻の涙を拭った。泣くほど笑うなよ。



「まあ、鈴蘭さんを家まで送らないとな。それから、師央を連れて帰る」



「は? こんなわけわからんやつを連れて帰る? 理由がわからねぇよ」



兄貴はサラッと答えた。



「理由? おもしろそうだから、だ」



うわ。またかよ。オレを厄介ごとに巻き込む、その一言。