兄貴が首をかしげた。
「きみ、確か大都の阿里海牙くん?」
「あれ、知ってました?」
「全国模試で一桁順位だろ」
「そう言う伊呂波文徳くんこそ。このへんでは、有名人ですよね」
次々と現れる、わけのわからないやつ。オレはうんざりしてきた。
「その大都の優等生が、今ここに何の用だ?」
「だから、手伝いたいんですよ。緋炎には迷惑してましてね。大都の学生と見れば、カツアゲしてくるんです。ぼくは、よく反撃して遊んでるけどね」
「遊んでる?」
大都の優等生は飄々と笑った。
「優等生も、ムシャクシャすることがあるんです。たまにはこうして息抜きしないとね」



