「たぶん、ぼくの仕業ですよ。師央くんの声を代償に、師央くんをさらに過去へ送る。師央くんが目撃したのは、そこまでだけどね。
ぼくは、論理のつじつま合わせをするはずです。力学《physics》がぼくの行動原理だから。力学、物理学は、論理の学問なんですよ。
師央くんを育てるのは、文徳くんです。その結果を成立させるために、ぼくは自分の命を代償に、文徳くんを蘇生する」
そして十五歳の師央が、因果を背負った白獣珠を携えて、オレたちの高校時代に現れた。
オレは頭が回っていない。
思考が止まっている。
でも、口が勝手に動いた。
「どう思った? 顔も知らなかった父親の若いころを知って、何を感じた?」



