理仁が師央に訊いた。
「その古巣ってのは、KAHNって意味?」
師央の唇が動く。声が出ない。もどかしそうに、首筋に爪を立てる。
海牙が、かぶりを振った。相変わらず表情を見せない。
「師央くんは、十歳のころにはわからなかった。襲撃者の正体も、なぜ白獣珠が狙われるのかも。
今回、やっとわかったんですよ。正木さんの顔を見て、襲撃者のリーダーが正木さんであることを思い出した。そして、襲撃の要因が今この現在にあることもわかった」
理仁が鼻を鳴らした。
「やっぱ、正木ってやつ、ハマっちゃうわけね。白獣珠で願いを叶えて、それが癖になる」
正木はさっき、白獣珠を使った。
理仁の号令を解除するために、自分の身が傷付くことを代償にして。



