海牙が額を押さえた。
「考え付く限り最悪のシナリオですね。だからこそ質量が大きい。あるいは、ループしながら、より大きく成長しているのかな」
「おい、海牙?」
海牙は目元の表情を隠したまま語った。
「師央くんが産まれるのは、今から四年後、煥くんが二十歳のときです。
そして、それから約一年後、師央くんの両親とその友人が死ぬ。つまり、煥くん、鈴蘭さん、ぼくが死ぬ。青獣珠と玄獣珠も奪われる。
そこで生き残るのは、師央くんと文徳くん、それと白獣珠」
オレは師央を見た。
師央はうなずいて、目を閉じた。目尻に涙がある。
海牙は続ける。



