手のひらにチカラが燃える。障壁を展開する。 被弾の衝撃。一瞬遅れて、爆発の衝撃。 障壁は割れなかった。 だからこそ、まともに爆風を受けた。吹き飛ばされる。 床に叩き付けられる寸前、抱き止められた。海牙だ。 天井が降ってくる。 鈴蘭の悲鳴が聞こえた。 痛みも音も、ひどく遠い。 闇が迫ってきた。オレは意識を失った。 不甲斐ない。 師央を守れなかった。白獣珠を奪われてしまった。 ――その日は、やがて再び―― オレが、また負けるってのか? 未来の記憶が、うなずいた。