「返しやがれっ!」 オレは飛び出す。 突っ込むには距離があった。 正木は難なく逃れて、通路を駆け下りる。 追撃はかなわない。 世良の狙撃を、障壁を展開して防ぐ。 その隙に正木が逃げる。 兄貴が世良に飛びつこうとして、よけられた。 正木が振り返りざま、発砲する。 兄貴と海牙が、転がって避ける。 世良が離脱する。 「くそッ、テメェら、待て!」 追いすがって、出入口の真正面で息を呑む。 正木が突き出した両手の前に、黒々と凝り固まった巨大な砲弾がある。 正木が笑う。砲撃が来る。