師央は、声だけじゃなく全身を震わせている。 正木が一歩、師央に近付く。 「く、来るな!」 「覚悟が足りないね、師央くん。戦う覚悟。人を殺す覚悟。さっきは煥くんを守ろうと必死だったみたいだが、さて、こうして改めて銃を構えると、どうだ? 怖いだろう? その迷う心で、引き金が引けるのか?」 オレは通路の床を蹴った。椅子を踏み倒して駆け上がる。 正木がオレへ片手を突き出した。 闇色の銃弾が次々と撃ち出される。まるでガトリング砲だ。 オレは障壁を展開する。突っ込む勢いが鈍る。