「な、何……?」 正木の砲弾が、不発のまま宙に散る。 愕然と見開いた目が、師央を見下ろした。 師央は右手を突き出して、人差し指を正木に向けている。 正木が胸に触れた。 防弾チョッキを途中まで破りかけたモノつまみ出す。 銃弾だ。 師央が震える声をあげた。 「つ、次は心臓を撃ち抜きます。ぼくは、本気です」 正木が笑い出した。 「なるほど、師央くんは隠し玉というわけか。いや、実に手強いね。私の能力をコピーするとは。しかし、発射できるのかな? どうした? 狙いが定まっていないぞ?」