「世良一人に、二人がかりか。ちょっと力量不足かもしれんぞ? 世良は肉弾戦でも強い」 「ほざいてろ」 「きみは一人で私を食い止める気か?」 「ああ。オレだけで十分だ」 「確かに、きみの障壁は想像以上に強固だ。認めるよ。私のピストルよりは強い。ピストルよりは、な」 正木が両手を前方へ突き出した。 手のひらの正面で、暗がりが凝縮していく。 デカい。さっきまでの銃弾とは比べ物にならない。 凝り固まった闇は、砲弾だ。