海牙が首のストールをほどいた。と同時に。
パンッ!
銃声。
海牙がストールを振るう。あり得ない速度で、布地がひらめいた。
カツン、とストールに払い落とされたのは、銃弾だ。
狙いは師央だった。
海牙は、破れたストールを捨てた。銃口を向ける世良をにらむ。
「やはり、あなたは残りましたか。能力者の血縁だから、耐性があるんでしたっけ」
不意に殺気を感じた。
世良とは逆の位置からだ。
考えるより先に体が動いた。海牙の後頭部を狙うライン上へと飛び込む。
銃口が火を噴く。
白い光の障壁が出現する。
バシッ!
銃弾が障壁にぶつかって消滅する。



