理仁が口を挟んだ。
「正木ってやつ、能力者だよね? こないだ、おれの号令が効かなかったもん」
「ええ。彼の能力は狙撃《sniping》。今回も近くにいるでしょうね」
「ついでに訊くけど、正木ってやつ、緋炎を買収してるっしょ? 警察の動きを封じてやるとか、上手な条件で。だから、緋炎の連中、なりふり構わず襲撃してきた。そーだよね?」
理仁は、最初に会った日にオレたちに忠告した。
緋炎が買収されたらしい、と。
買収した母体がわからない、とも言っていた。
海牙がうなずいた。
「全面的に、リヒちゃんの予測どおりですよ」
「伊呂波家を探ってたのは?」
「師央くんの正体をつかむため、でしょうね」



