男が顔を上げた。
額にヤケドの痕がある。据わった目をしている。
見覚えがあった。
「あいつ、平井の屋敷にいた」
「ええ。世良昌平ですね」
「海牙、気付いてたのか? 銃での襲撃があいつの仕業だと?」
うなずいた海牙は、早口でささやいた。
「気付いてました。でも、前回は意図がわからなかった。予測はできても、確信が持てなかった。あの後、少し調べました。
世良さんには、絶対服従の兄貴分がいる。正木竜清《まさき・りゅうせい》という男です。手っ取り早く功績を挙げたいと焦ってる人でね。
今、総統が四獣珠を欲しておられるから、正木さんは四獣珠を狙ってるんです」



