突然だった。 パンッ! 破裂音。いや、銃声だ。 パリン、と割れて砕ける音もした。 店内がワントーン暗くなる。 客席の一角で悲鳴があがった。 「煥っ!」 兄貴たちが駆け戻ってきた。さっきまでの笑顔はない。 緊張が走る。そして。 パンッ! 二度目の銃声。ガラスの砕ける音。暗くなる店内。 オレはとっさに体を低くした。素早く状況を確認する。 「ライトを撃ってる。スナイパーは、店内のどこかにいる」